ふたばのブログ薬局

50代の薬剤師です。薬局が地域で認められしっかりと地域医療を支える気持ちを持たれてる薬剤師さんを支援する内容のブログにしていきたいと思います

この相談の答えって・・・

みなさんおはようございます

今日は2月12日 水曜日

 

今日は先日、私が店頭で相談受けた件について書いてみたいと思います。

皆さんならどのように対応されるのかコメントいただけると助かります。

 

来客者は、60代〜70代の女性、その方の相談でなく娘婿さんのお薬でいいものがないのかというご相談です。

 

相談内容は、娘婿さんが大腸がんでストマ装着、仕事はトラック運転手だそうでして先日から大腸がんの再発で腹膜播種していて腹水が溜まってきている模様でかかりつけのA医院にて診てもらっているようなのです(かかりつけ医)

腹膜播種が進行していることもあり、大腸がんの主治医であるB病院の外来で抗がん剤の注射をするらしく(私が思うにアバスチン(ベバシズマブ)ではないかと思います)内服の抗がん剤も服用しているように聞いています。

 

その来客者のお母さんは、むくみが出ていてA医院で利尿剤もらって治療しているがどうしても足がつるらしく、仕事である車の運転に差し支えるので何か足のつりに効くお薬を見立ててほしいという依頼でした。

 

さあ貴方ならどうしますか?

 

正直困りました・・・

私が、悩んだのは何を優先するのかって視点でした

娘婿さんはまだトラック運転を続けておられるし、仕事しながらがんと闘っているわけですよ、何とか仕事も続けてもらいたいですし、お母さんの想いが伝わってきますよね。

しかしその反面、治療する上で実際の娘婿さんの体調等考えるとうかつにお薬勧めるわけにもいかない訳ですよ。

 

脚のつり→芍薬甘草湯

この発想は聞き取り時点で容易に想像出来ました

では芍薬甘草湯の副作用を見ていきましょう

まず出てくのが禁忌で

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

 1.アルドステロン症の患者

 2.ミオパチーのある患者

 3.カリウム血症のある患者

併用注意

(併用に注意すること) 

(1)カンゾウ含有製剤
(2)グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤
(3)ループ系利尿剤
 フロセミ
 エタクリン酸
(4)チアジド系利尿剤
 トリクロルメチアジド

もうこの時点で利尿剤自体が何かも判らないので半分諦め状態になりました

代表的な副作用でこんなものもあります

2. 偽アルドステロン症(頻度不明) 低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。

 

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これはまず無理ですよね

仮に、芍薬甘草湯をお勧めして血圧が上がってしまうと

次の抗がん剤の注射がアバスチンとすれば、1クール目から注射出来ない訳です

それの邪魔するわけにもいかず

 

結局、こんな対応になってしまいました

「本来であれば芍薬甘草湯って漢方が良く効くのですが、血圧が上がったり腎臓に対する影響があるので、現在の娘婿さんの腎機能とかが把握出来なく、お勧めすると副作用が出るかもしれないので申し訳ないのですがかかりつけのA医師に相談していただく方がいいと思います。お力になれなくてすいません」

って対応になりました。

 

みなさんならどうされますか?

こんな対応で良かったのか自分でも半信半疑ではあったのですが

ともかく、がん患者さんの再発の場合「抗がん剤を投与できる状態で無理なく抗がん剤を使う」ってスタンスであるので、その方針を芍薬甘草湯の副作用で邪魔するのはどうなのか?って考えが先に出ました。

 

でもいいですよね。

こういう相談受けれる街の薬局って

以前の調剤薬局では1件もありませんでした

街の相談薬局で働けて良かったって思いました。

 

今日はここまでです

最後までお読みいただきありがとうございました。